こんにちは。国税OB税理士の占部です。

現代は、誰もが容易に情報を発信できる時代となりました。
しかし、こうした環境では、発言や情報の扱いには慎重さが求められます

高額納税者公示制度とその弊害

今ではなくなってしまいましたが、過去には高額納税者に対して各税務署単位で掲示板に張り出していた時代がありました。通常マスコミでも取り上げられ誰がどのくらい納税しているのか広く国民に公示する制度でした。私も総務課勤務時代税務署の掲示板に掲示していました。当然新聞等に載るのは大都市の一流企業のトップや芸能人、スポーツ選手と名を連ねていましたが、法人も掲示されていました。

そんな高額納税者公示制度があった時代のお話しです。
毎期、ある企業から「確定申告終了後に、調査に来てほしい」と(関与税理士からだったと思いますが)連絡をいただいていました。
その企業は社長のアイデアで成功を収めていましたが、
毎期過少申告をして税務調査で加算税や延滞税を納めていました。

どうしてそんなことをするのか・・・誰もが疑問に思うと思います

その理由は、法人が大きくなるにつれ労働組合が結成され、利益が出ているのなら労働者に還元せよと夜遅く組合員が社長の自宅まで押し掛けるようになり、生きた心地がしなかったそうです。これを聞いて納得しました。
当然毎期調査となると加算税や延滞税が発生するわけですが、精神的に参ってしまいお金の問題ではないということでした。

公示制度が終了し、当該法人もそれからは期限内に適正申告をされていたと記憶しております。現在は無くなった制度ですが今考えると怖い感じがします。

公示されていた期間も、寄付の依頼や窃盗の事件があっていたようです。

今も学ぶべき情報発信の慎重さ

この制度が終了しても税務署の情報収集は終わりません。

元税務調査官である私は、民間人になった今でも「行列のできる○○店」というようなテレビを見ているとき店主が「一日△△杯は出ますね。」というインタビューで一杯800円として・・・と計算する癖が取れませんし、券売機を設置しているラーメン店で替え玉は現金でも結構です。と書かれているのを見るとその現金はどうなっているのだろう。と今でも考えてしまいます。

(現役の税務調査官であれば、言うまでもありませんね。)

古いことわざかもしれませんが、「壁に耳あり障子に目あり・・・」です。

税務署から税務調査の連絡があった方へ

税務署から事前通知が来た場合

税務署からの税務調査に関する事前通知は、通常は顧問税理士あてにあります。
万が一、直接会社に連絡があった場合には、
落ち着いて次の事項を伝え聞きメモなどしておいて顧問税理士にお伝えください。

1.税務調査で予定している日時、調査日数や調査官の人数
2.税務調査をする理由
3.調査官の役職や所属部署

無予告で突然税務調査が来た場合

また、無予告で突然税務調査が来る場合もありますが、最近では税務職員のなりすましもいます。必ず身分証の確認を行いましょう。身分証明書は、顔写真付きで所属税務署、所属部門・課、官職が記載されていて、質問検査章には調査できる税目が書いてあります。(当然、質問検査章に記載されていない税目は調査することはできません。)

顧問税理士がいないのに税務調査が来てしまった方へ

税理士法人武内総合会計では、税務調査の立ち会いも対応しております。
もし顧問税理士がいないのに税務調査が来てしまった等
お困りのことがありましたらご相談いただければ幸いです。

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