OB税理士の占部です。
「宗教法人と税務調査」というと、
お寺は税金かからないのでは、と思われる方が多いと思います。
宗教法人には、通常法人税と消費税はかかりません。
(寺の敷地の一部を駐車場として貸している場合は申告が必要です。)
しかし、源泉所得税の徴収義務者にはなります。
お寺でいうと住職や坊守は宗教法人からお給料をもらっていますが、
そのお給料から所得税を差し引いて国へ納める義務があります。
でも、計算はきちんとされているのでは。
その通りですが、もし、葬儀、法要等で得たお布施を法人の収入にせず、住職のポケットに入った場合はどうでしょう。
また、健康器具をお寺の経費にして、住職が私的に使っていた場合はどうでしょう。
給与の課税漏れや経済的利益の課税漏れが生じます。
では、どのように調査されるのでしょう。それは、過去帳(檀家の死亡年月日等が記載さ
れている帳簿)等の原始記録や購入された物の現物確認を行って調査されます。
サラリーマンの方にとっては身近な源泉所得税。この制度は国から見ると非常に画期的な税金の徴収方法で、計算、徴収、納付を全て徴収義務者(勤務されている会社)にお願いしているため、税収の額に比べ徴税費用があまりかかっていません。
税務署の源泉担当職員は年末調整説明会や電話による相談、収納管理と宗教法人等の調査ぐらいでしょうか。
もう40年ほど前のことでうっすらしか覚えていないのですが、社会福祉法人が運営する保育園に源泉所得税の調査の指令を受け、実地調査に臨場したことがありました。
保育園の調査って何をするのだろう。当時は二十歳すぎくらいの年齢で訳も分からなかったのですが、先輩から靴箱の靴の数を数えろ。とか、卒園の集合写真を見て人数を数えろと教わりました。
要は収入をごまかしていないか経費を増やしていないか調べろという意味であったことが後になってわかりました。
税務調査の基本的な流れは概ね変わりませんが、業種によって見られるポイントは様々です。
当事務所では税理士(国税OB含む)をはじめ会計スタッフが、お客様の税務調査対応をご支援しますので、税務調査の際にはご相談ください。