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こんにちは。税理士の日高です。
法人企業の「税務調査対応のポイント」についてお伝えしています。
今回は、突然、税務調査官がやって来くる「無予告調査」についてお話いたします。
この記事でわかること
・無予告調査とは
・なぜ無予告の税務調査が行われるのか
・突然税務調査官が来た場合の正しい対処法
無予告調査とは
通常、税務調査は、税務署から事前通知がありお互いの日程を調整した上で行われますが、
時には突然調査官がやってきて、事前通知なしで行われる無予告調査というものもあります。
なぜ無予告の税務調査(無予告調査)が行われるのか
1.法律上の規定
法律では、
違法または不当な行為を容易にし、正確な課税標準等又は税額等の把握を困難にするおそれその他の国税に関する調査の遂行に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合
と規定しています。
つまり、事前通知を行うと帳簿の改ざんや証拠の隠滅など不正な行為が行われる可能性があり、
正確な税額等の把握や適正な調査が実行できないおそれがある場合には
事前通知なしで調査に入るということです。
2.実際に税務署が無予告調査を実施する対象となる人(法人)
実際には、税務署が無予告調査を実施するのは次に挙げるような納税者です。
- 不正な申告(脱税)を行っていると判断した納税者
- 事前通知を行うと証拠隠滅を図ると思われる納税者
- 意図的に申告していない納税者(無申告者)
いわゆる「悪質な納税者」ではないかと税務署側が疑っている人(法人)に対して無予告調査が実施されています。
税務調査自体は拒否できないが、日程調整はできる
事前通知なしで調査官がやってきたとしても税務調査を拒否することはできません。
納税者には調査に対して受忍義務というものがあるので、税務調査自体を断ることはできないのです。
しかし、突然やってきたその日に絶対に税務調査を受けなければならないかというと、それは違います。
調査に応じることができない状況や理由がある場合は、その日の調査を断ることができます。
その上で、『別の日に応じるので日程調整を行いたい。』と申し出れば、調査拒否にはあたりません。
その場で調査に応じることができない状況や理由の例
- すでに予定が入っている
- 調査に応じると業務に支障が出る
- 代表者と連絡が取れない
- 関与している税理士が調査に立ち会えない 等
無予告調査(事前の通知なしで突然税務調査官がやってくる税務調査)の正しい対処法
1.税理士と連絡を取る。会社内に入れない。
税理士と顧問契約を結んでいる場合は、まず、税理士に連絡してください。その際には、調査官を事務所や店舗内に入れず、外で待機してもらってください。いったん調査官を事務所や店舗内に入れると、税調査を受け入れていると判断される可能性があるからです。毅然とした態度で、外で待機してもらうように伝えて、今後の対応を税理士と落ち着いて行ってください。
当社(武内総合会計)は、顧問先であるお客様から『税務代理権限』を頂いており、税務署との交渉権がありますので、連絡を受けるとそれ以降の税務署との交渉をお客様に代わって行っています。
2.無理してまでその日の調査を受けない。
突然調査官がやってきた場合、誰でも落ち着いて対応できるとは限りません。急な調査対応では、感情的になったり、思わず余計なことまで言ってしまう場合もあります。そこで、一旦、税務調査を受けられる状況か落ち着いて考えてみましょう。その日に予定が入っていないか、調査を受けると業務に支障が出ないか、従業員の対応は可能か、体調は万全かなど検討してみてください。いったん税務調査を受け入れると、調査対応は、少なくても数時間から半日かかることは必至です。場合によっては、1日かかることもあります。調査官からは、なるべく少ない時間で済ませるとか、金庫や現金の有高だけで見せてくださいとの申し出がありますが、いったん調査が始まると、調査官のペースにはまりズルズルと時間が費やされます。その日の調査を断る理由があるときは、はっきりと調査官にその旨を伝えてください。
3.次の税務調査の日程調整を行う。
その日の調査を拒否しても、税務調査が嫌なわけでなく、ただ日程を変更してほしいという趣旨を主張してください。
そして、調査に協力する姿勢を見せて、『〇月〇日、〇時頃なら調査を受けることができます。』と、具体的な日時を伝えてください。
まとめ
・無予告調査は、突然調査官がやってきて事前通知なしで行われる税務調査です。
・もし無予告調査がやって来たら、顧問税理士がいる場合は、
すぐに会社には入れずに外で待機してもらい、税理士へすぐに連絡を取りましょう。
・無理してまでその日の調査を受けず、別日程で調整を行ってもよいでしょう。
・その日の税務調査を拒否しても、「税務調査が嫌なわけでなく、ただ日程を変更してほしい」という趣旨を主張しましょう。
当社をはじめ、税務調査から関与できる税理士もいます。
もし顧問税理士がおらず、税理士の立ち会いを希望する場合はご相談ください。
「お客様の利益を守る、納税者の権利を護る」税理士法人武内総合会計
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