役員退職金を支給するときの注意点 | 福岡の税理士法人「武内総合会計」

役員退職金を支給するときの注意点

カテゴリー: 税制・補助金等に関する情報

こんにちは。税理士法人武内総合会計です。

今回は、中小企業の経営者様や経理担当者に向けて
もし会社の取締役が退職する際に支給する退職金の注意点について
お話ししようと思います。

役員退職金とは

役員退職金とは、取締役・監査役・執行役・会計参与などの会社法上の役員が退職した際に支給する退職金です。(役員退職慰労金とも呼ばれます)

役員退職金を支給するには、定款の規定または株主総会の決議が必要になります
(会社法361条1項)。
この決議を経ずになされた役員退職金の支給は無効となりますので気をつけてください。

役員退職金を支給する場合の注意点

01.過大役員退職金

役員退職金は、法人税の所得計算上、
「相当と認められる金額」を超える場合、当該超過分は、
損金算入できないことになっています。

「相当と認められる金額」は、
従事期間や退職の事情、同業種比較等により算定することになっていますが、
算定が困難なため、
実務上は「功績倍率法(最終報酬月額×勤続年数×功績倍率)」で
計算している場合が多いです。

税務調査においても、同方法で計算していれば、
慣行的に認められるケースが多いという実情があります。

功績倍率法を採用する際に注意すべき点は、
退職直前に役員報酬を増額することや
功績倍率を必要以上に大きく設定すること等が挙げられます。

02.「退職の事実」が必要

退職するということは、法人業務から離れることを意味するので、
会社の重要事項の決定や業務の遂行には、関与することが出来ないということが原則です。

したがって、形式上は、退職したにもかかわらず、
退職後も会社に対して大きな影響力を与えているような場合には、
実質は退職していないものとして、
税務上、退職金としての支給が否認される可能性があります。

03.分掌変更の場合(法人税基本通達9-2-32)

役員の分掌変更とは何か。
役員の任期満了等に伴って退任し役員の職務分掌が改選や再任に伴い変更になることで、
具体的には、役員である事は変わらないが代表取締役から非常勤取締役、
取締役から監査役、常勤の取締役から非常勤の取締役になること
を言います。

分掌変更等によりその役員としての地位又は職務の内容が激変し、
実質的に退職した事と同様の状況にあると認められるようなケースの場合、
一定の要件を満たすことができれば、役員退職金を損金算入できることになっています。

ただし、分掌変更後も会社に多大な影響を及ぼしている場合も「02.」②と同様に、
その実態は退職していないものとして、退職金の損金算入を否認されるケースがあります。
また、分掌変更による退職金の未払計上は、原則、損金計上は認められていません。

まとめ:役員退職金を支給するときの注意点

  • 役員退職金は、法人税の所得計算上、
    「相当と認められる金額」を超える場合、当該超過分は、損金算入できない。
  • 退職後も会社に対して大きな影響力を与えているような場合、
    税務上、退職金としての支給が否認される可能性がある。
  • 役員退職金を支給するには、定款の規定または株主総会の決議が必要。

 

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

役員退職金にはこの他にも様々な注意事項があります。
退職する役員への退職の支給を検討されていましたら、顧問税理士へご相談ください。

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