こんにちは。福岡の税理士法人武内総合会計です。

 

今回は、社宅や従業員寮を取得・維持する際に注意したい、消費税の仕入税額控除の取扱いについて解説します。

 

1 社宅や従業員寮を自己取得する場合

まず前提として居住用賃貸建物にかかる住宅家賃については非課税とされています。

これを踏まえ、取得費における消費税の仕入税額控除の取扱いについては以下の2パターンに分けられます。

 

有償貸付の場合(利用者から使用料を徴収する社宅・従業員寮)

  • 居住用賃貸建物に該当するため、取得に係る税額は仕入税額控除の対象外となります。

無償貸付の場合(その取得時点で利用者から使用料を徴収せず、無償貸付が客観的に明らかな社宅・従業員寮)

  • 居住用賃貸建物に該当しないため、取得費は仕入税額控除の対象となります。

 

2 他の者から借り上げている社宅や従業員寮の借上料

従業員に貸すために借りている社宅や従業員寮の家賃も住宅家賃になり非課税となります。

つまり、仕入税額控除の対象外となります。

 

3 社宅や従業員寮の維持費

自己取得であるか賃貸かに関わらず、社宅や従業員寮の修繕費用、備品購入費用等は仕入税額控除の対象となります。

 

国税庁の質疑応答事例では、次のように示されています。

なお、その費用が居住用賃貸建物に係る課税仕入れ等に該当する資本的支出となるもの並びに管理人の給与、固定資産税など不課税となるもの及び非課税取引に該当するものは、仕入税額控除の対象になりません。

 

引用:社宅に係る仕入税額控除https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/shohi/19/10.htm

つまり、その費用が修繕費用ではなく資本的支出(資産計上)に該当するような大規模な改装やリフォーム工事にかかる費用については仕入税額控除の対象とならないということです。

 

4 さいごに

社宅や従業員寮を取得もしくは修繕を行う場合、多額の資金が必要となります。また、仕入税額控除の適用可否によって、当該事業年度の消費税額に大きな影響が生じる可能性があります。
車両の取得などとは異なり、社宅や従業員寮の取得費用・修繕費用が必ずしも消費税の負担減につながるとは限りません。
取得後の税負担を含めて慎重に検討する必要があるため、購入を決定する前に、顧問税理士へ相談することをおすすめします。

※本投稿は、できるだけわかりやすいよう、簡易的に記載しています。
詳細は国税庁Webサイトをご確認いただくか、顧問税理士にお尋ねください。
のような、いつもの文章をどこかに入れてください。

 

社宅を従業員に貸与する場合は、消費税だけでなく、従業員の給与課税にも注意が必要です。賃貸料相当額や給与課税の取扱いについては、関連記事「社宅や寮を貸与するときの注意点」で解説しています。

社宅や寮を貸与するときの注意点