こんにちは。税理士法人武内総合会計です。
私的年金は、公的年金の上乗せの給付を保障する制度です。この制度は、高齢期により豊かな生活を送るための制度として重要な役割を果たしています。
私的年金制度には、税制上の優遇措置が設けられている企業型DCやiDeCoなどがあり上手に活用することで、掛金(加入者拠出分)は所得控除として所得金額から控除され、運用益は非課税となり、将来の受け取り時には所得の区分に応じて収入金額から一定の控除が受けられます。
この私的年金制度が2026年4月から順次改正されます。
私的年金制度の概要(企業年金・個人年金)
私的年金は大きく分けると「確定給付型」と「確定拠出型」の2種類があります。
確定給付型とは、加入した期間などに基づいてあらかじめ給付額が定められている年金制度です。
確定給付企業年金制度(DB):労使の合意で比較的柔軟な制度設計が可能であり、受給権が保護されているなどという長所があります。
「規約型確定給付企業年金」や「基金型確定給付企業年金」の2種類があります。
確定拠出型とは、拠出した掛金額とその運用収益との合計額を基に給付額を決定する年金制度です。企業が追加拠出をする必要は生じませんが、加入者自らが運用を行い、高齢期の生活設計を立てる必要があります。
確定拠出年金制度(DC): 拠出された掛金が加入者ごとに区分され、その掛金と自らの指図による運用の運用益との合計額をもとに、給付額が決定される年金制度です。確定給付型の企業年金を行うことが難しい中小企業の従業員や自営業者などのニーズに応え、離職・転職にも対応しやすくなることから、年々その規模を拡大しています。
「企業型確定拠出年金」や「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の2種類があります。
この2つは共に、離職や転職時に年金資産の持ち運びが出来る「ポータビリティ」があり、年金加入者の為の運用等の見える化(情報公開)を随時する事となっています。
※赤字の部分も今回の改正事項の1つです。
2026年施行の改正
4月1日施行の改正で注目なのが「企業型確定職種年金(企業型DC)の拠出限度額の拡充」です。これまで企業型DCを導入している企業で事業主掛金に上乗せして加入者が掛金を拠出(マッチング拠出)出来る場合、その額は事業主掛金の額を超えてはならないとされていましたが、改正によりこの制限が撤廃されました。
企業側が規約変更等を行えば事業主掛金の額に関わらず加入者は事業主掛金の額との合計額が拠出限度額を超えない範囲で自らの拠出する掛金の額を設定する事が出来ます。
尚、このマッチング拠出を利用する場合は、iDeCo(個人型確定拠出年金)には加入できないというルールに変更はありません。
12月1日施行の改正の中から2つピックアップします。
- iDeCoの加入可能年齢が70歳へと引き上げられます
老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受給していない方等の一定の要件を満たせば70歳までの掛金の拠出が可能となります。
(加入者区分:第5加入者の新設)
- 拠出限度額の引き上げ
企業年金の有無によるiDeCoの拠出限度額の差を解消しつつiDeCo・企業型DC・国民年金基金の拠出限度額が引き上げられます。
確定拠出年金の拠出限度額(出典:厚生労働省HPより)
改正前
改正後
これらの改正によって拠出額が増えると節税効果をより享受しやすくなります。
制度の選択・活用にはそれぞれの年金制度のメリット・デメリットや自分の状況を考えて最適な活用方法をご検討ください。
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