こんにちは。税理士法人武内総合会計です。

本サイトでも過去に、iDeCoと退職金の受取方法について解説していますが、

令和7年度税制改正大綱にてiDeCoの出口対策として注意しておくべき「5年ルール」に大きな変更がありました。

 

今回はその変更点を中心にiDeCoと退職金の受取方についてお話していきます。

※本記事は令和7年度税制改正を踏まえた最新情報です

※基本的な内容については過去記事もあわせてご覧ください
https://www.takeuchi-kaikei.com/tax/1576/

1 変更点

「5年ルール」が「10年ルール」へと延長されました。

 

改正前であれば、iDeCoの一時金を受け取ったあと「5年後」に退職金を受け取れば、一時金と退職金の両方で退職所得控除を満額利用することが可能でした。

 

今回の改正で この5年後という部分が「10年後」に延長されました。

 

元々このルールは、退職所得控除額の計算における勤続期間等の重複排除の特例によるものであり、その年の前年以前9年内に退職手当等の支払いを受けたことのある人は、一定の調整計算がされてしまうからです。

 

分かりやすくまとめると、iDeCoの一時金を受け取った後、9年以内に退職金も受け取った場合には、iDeCoの加入期間と会社での勤続年数のうち、重複している期間分の退職所得控除は差し引いて計算されます

 

*受け取る順番を退職金→iDeCoの一時金とした場合

この場合には、元々「20年ルール」が適用されており今回の改正で変更はありません。

退職金を受け取った後、19年以内にiDeCoの一時金も受け取った場合には、iDeCoの加入期間と会社での勤続年数のうち、重複している期間分の退職所得控除は差し引いて計算されます。

 

つまり、iDeCoを一時金として一括で受け取ることを考えている人で、制限を受けず、上手に退職所得控除を活用するためには、以下2つのどちらかの方法で受け取る必要があります。

 

①iDeCo受け取り後、10年後に退職金を受け取る。

 

iDeCoを先に受け取り、その後退職金を受け取る場合は原則の9年内が適用されるため、iDeCoを受け取ってから10年後に退職金を受け取れば、退職所得控除の調整の制限を受けません。

 

②退職金を受け取り後、20年後にiDeCoを受け取る。

 

退職金を先に受け取り、その後iDeCoを受け取る場合には特例の19年内が適用されるため、退職金を受けてから20年後にiDeCoの一時金をもらえば、制限を受けません。

 

2 受取の方法

次に、基本的なiDeCoの年金資産の受取方法について簡単にまとめておきます。

方法としては、主に3通りあります。

 

一時金として一括で受け取る

年金として受け取る

一時金と年金を組み合わせて受け取る

 

3 税制メリット

一時金として受け取る場合と年金として受け取る場合、それぞれに税額控除がありご自身の控除の上限額を把握する必要があります。

 

一時金として受け取る場合

税制上は退職所得という扱いになり、受け取る金額から、退職所得控除を差し引いた金額に2分の1を乗じた金額に対して税金が課されます。

退職所得控除の金額は、

拠出期間が20年以下の場合、拠出期間 × 40万円

20年超の場合、800万円+(拠出期間-20年)×70万円

となります。

 

年金として受け取る場合

税制上は雑所得という分類になり、受け取る金額から公的年金等控除額を差し引いたものを所得として計算します。こちらは他の雑所得と合算されて税金計算されます。

また、公的年金等控除額は、受取時の年齢と年金収入金額によって変わります。

 

4 さいごに

iDeCoの受取方法によって適用される税制の違いがあります。

iDeCoの一時金と退職金を受け取っても、退職所得控除の範囲内で収まる方は受け取るタイミングに注意し、退職所得控除の範囲内で収まらない方は、年金受取も検討し公的年金等控除も利用して課税対象となる金額をなるべく減らしてiDeCoの受取を行えるように備えておきましょう。

 

【iDeCo】税制優遇はどうなる? 令和7年度改正の要点を解説