こんにちは。福岡の税理士法人武内総合会計です。

「令和8年度税制改正の大綱」が、令和7年12月26日に閣議決定されました。 ここで決定された改正内容は、年明けの国会での審議を経て関連法案が成立した後、原則として令和8年(2026年)4月1日から順次施行されます。ただし、個人の所得税に関する見直しなど、項目によっては翌年の1月1日から適用が開始されるものなど時期が異なる場合もあります。

前回(1月9日)のブログでは、賃上げや大規模な設備投資などに関する改正についてお伝えしました。引き続き、中小企業や個人事業主が押さえておくべき改正のポイントについてお伝えします。

 

  1. インボイス制度・消費税の経過措置が段階的に縮小へ

インボイス制度導入時に設けられた負担軽減のための「経過措置」について、適用期限の延長や縮減のスケジュールが具体的に示されました。

 

小規模個人事業主向けの「2割特例」が「3割特例」へ

免税事業者から適格請求書発行事業者になった小規模事業者の消費税負担を軽減する特例(いわゆる「2割特例」)が変更されます。令和9年(2027年)及び令和10年(2028年)に含まれる各課税期間においては、納付すべき消費税額を課税標準額に対する消費税額の「3割」とする、新たな特例へと移行します。

 

免税事業者等からの仕入税額控除の割合が段階的に引き下げ

適格請求書発行事業者「以外」の者(免税事業者など)からの課税仕入れに関する経過措置も、スケジュールに沿って控除割合が縮減されます。

  • 令和8年(2026年)101日~令和10年(2028年)930日:70%控除(※現行の80%から引き下げ)
  • 令和10年(2028年)101日~令和12年(2030年)930日:50%控除
  • 令和12年(2030年)101日~令和13年(2031年)930日:30%控除

 

【影響と対策】 免税事業者との取引が多い企業は、2026年10月以降、消費税の納税額が確実に増加します。(特例・簡易課税制度適用の場合は例外)
取引先との価格交渉や、インボイス登録状況の再確認、または自社の価格設定の見直しを今のうちから進めておくことが重要です。

 

  1. 少額減価償却資産の特例が「40万円未満」へ拡充

中小企業の皆様にとって非常に使い勝手の良い「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」が拡充・延長されます。

これまで、取得価額「30万円未満」の減価償却資産であれば、年間合計300万円を限度に全額をその年の経費(損金)として計上できましたが、この上限が「40万円未満」へと引き上げられます。 また、この特例の適用期限は3年間延長され、令和11年(2029年)3月31日までとなりました。

一方で、対象となる法人の要件が一部厳格化され、常時使用する従業員数が現行の「500人以下」から「400人以下」に引き下げられます。

【影響と対策】 40万円未満まで枠が広がったことで、従来は固定資産として複数年にわたり減価償却しなければならなかった「ハイスペックなパソコン」「専門的なソフトウェア」「サーバー機器」なども、一度に経費として落とせる範囲が広がりました。設備投資計画をたてることをお勧めします。

 

3.食事代の非課税枠が月額「7,500円」へ増額

使用者(企業)が従業員に対して食事を支給した際に受ける経済的利益について、所得税が非課税となる使用者の負担額上限が、現行の月額3,500円から「月額7,500円」に引き上げられます。 また、深夜勤務を伴う従業員に対して、夜食の現物支給に代えて支給する金銭(夜食代)の1回あたりの非課税上限額も、現行の300円以下から「650円以下」へと増額されます。

【影響と対策】 昨今の物価高騰を背景にした実用的な改正です。昼食代補助の非課税枠が月額7,500円まで拡充されますので、賃上げと合わせて検討することをお勧めします。

 

  1. 子育て世帯を応援「生命保険料控除の拡充」特例が1年延長へ

年齢23歳未満の扶養親族がいる場合、一般生命保険料控除の限度額(通常4万円)に2万円が上乗せされ、最大「6万円」まで控除できる特例が令和8年分のみの時限措置として設けられていましたが、将来に向けた保障を安定的に継続して確保できるよう、この特例が1年間延長されます。 ※全体での所得控除限度額(所得税12万円・地方税7万円)に変更はありません。

 

【影響と対策】子育て中の経営者・個人事業主の方は、ご自身の保険契約見直しをお勧めします。

 

  1. 防衛力強化のための「防衛特別所得税」創設と復興特別所得税の見直し

防衛力強化の財源確保策として、個人の所得税において令和9年(2027年)より、基準所得税額に対して1%の税率を上乗せする「防衛特別所得税(仮称)」が新たに創設されることになりました。

これに伴い、現在所得税に2.1%上乗せされている「復興特別所得税」については、同じく令和9年分から税率が1.1%に引き下げられます。 つまり、当面の合計上乗せ税率は2.1%(防衛1%+復興1.1%)となるため直近の税負担は変わりませんが、復興特別所得税の課税期間が現行の令和19年から令和29年まで10年間延長されることになりました。

【影響と対策】 この改正は令和9年(2027年)分以後の所得税から適用されます。

 

令和8年度(2026年度)の税制改正では、中小企業や個人事業主が活用しやすいポジティブな制度変更も多く盛り込まれています。

自社の経理処理や、各種特例を活かした節税・福利厚生の見直しについて、疑問や不安がございましたら、顧問税理士へご相談ください。

 

お問合せ専用窓口 TEL: 0120-920-806 [月~金] 受付:9:00~17:00(土日祝休み)

※WebサイトやLINEから顧問契約や申告に関するお問い合わせも受け付けております。

※具体的な税務判断・申告内容に関するご相談は、顧問契約や個別相談をご検討中の方に限らせていただいております。

一般的なご質問や税務署宛ての内容については回答できない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

 

━━━━━━━━━━━━━

税理士法人武内総合会計

〒810-0073

福岡県福岡市中央区舞鶴2丁目8-20

TEL:092-781-0251

━━━━━━━━━━━━━