こんにちは。税理士法人武内総合会計です。

今回は印紙税の調査についてお話します。

 

【印紙税調査とは】

印紙税の調査とは、課税文書(契約書や領収書など)に適切に収入印紙が貼られ、印紙税が正しく納付されているかを税務署がチェックする調査です。

 

【調査対象期間】

基本的に過去5年間です。

【調査の種類】

印紙税の調査には、主に次の2つのパターンがあります。

・同時調査

法人税、所得税、消費税などの調査を主体に行いながら、印紙税の調査も同時に行うものです。

・単独調査

単独調査とは、印紙税だけを重点的に調べる調査です。事業内容や取引数、売上の規模などから、多くの課税文書を発行していると思われる者に対して行われます。

【調査のポイント】

調査のポイントは以下のとおりです。

・印紙の貼り忘れ

課税対象である契約書や領収書に印紙を貼り忘れるミスです。覚書や変更契約書も対象になる場合があります。

・印紙税額の不足

課税文書に対して、正しい税額の印紙が貼られておらず、額が不足しているミスです。

・印紙の消印の忘れ

印紙を貼っているにもかかわらず、消印をしていないミスです。消印を忘れた場合、その印紙税の納付は認められません。

【誤りが発見された場合】

・原則

印紙税の納付漏れがあった場合、未納税額に対する過怠税が課されます。

具体的には、未納付の印紙税額に、印紙税額を2倍した金額が加算され過怠税として課税されます。たとえば1万円分の印紙の貼り忘れがあった場合、未納分の1万円とその2倍の2万円、合計3万円の納付が必要となります。

・例外:自主申告による軽減措置

同時調査の場合、過怠税が本来の印紙税の1.1倍に減額される場合もあります。

調査の過程で、印紙の貼付漏れ等を指摘された場合、納税義務者自らが自主的な見直しを行うことを条件に、「印紙税不納付事実申出」の手続きをすれば、未納付の印紙税の税額に、1.1倍した金額が過怠税として課税されます。1万円分の印紙の貼り忘れがあった場合、1.1万円の納付が必要となります。

印紙の貼付漏れ等を指摘された場合、「不納付の申出書を提出して処理・対応します」と調査官に伝えてください。

【納付漏れがあった場合の影響】

印紙税の誤りが発覚すると、取引先や金融機関からの信頼を損なう可能性があります。

誤りがあったことが報道機関等から公表されることもありますし、契約書等に添付漏れがあると取引先の信用も失います。

【印紙税の課税文書とは】

印紙税の課税文書とは、国税庁の通達によると『第44条 法に規定する課税文書の「作成」とは、単なる課税文書の調製行為をいうのでなく、課税文書となるべき用紙等に課税事項を記載し、これを当該文書の目的に従って行使することをいう。』となっています。要するに、課税文書は「用紙等」に記載され、相手方に「交付」されることが前提』となっています。

そこで、印紙税の納付漏れの対策として、契約書や領収書などをすべて電子契約サービスで作成することをお勧めします。現状では、電子契約サービスで作成されたものは、印紙を貼りつける必要がないと解釈されています。(電子契約で作成された電子データは「用紙等」とは言い難く、またデータの送信行為を「交付」ということも解釈上に無理があります。)

また、電子契約サービスを利用すると、文書作成の手間や経費削減につながり、手早く作成できるので仕事の効率化も図れます。まだ電子契約を導入していない個人事業主や企業の方は、導入の検討をお勧めします。当事務所でも、複数のお客様からのご相談に対応しており、その数は増加しています。

【印紙税調査における税理士の立場】

原則、税理士の業務から、印紙税が除かれているという事実から、税務調査で印紙税の話になると、税理士は口出しできないということになっています。しかし、税務署からの質問に対して、税理士が代理で直接意見を述べるのではなく、回答する経営者に対して助言することについてはなんら問題ないと考えられます。印紙税に精通している税理士であれば、適切なアドバイスができます。

【最後に】

印紙税の納付漏れに限った話ではないですが、税金の申告漏れや手続き・処理の誤りといった行為は会社や個人の信用問題に関わりますし、金銭的なダメージを負うこともあります。対策として、税法に詳しい顧問税理士に相談することを強くお勧めします。

 

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