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中小企業で活用する経営分析

⑸管理会計で月次決算を行う

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⑸管理会計で月次決算を行う

 

■なぜ、管理会計で月次決算をおこなうのか?

月次決算は、財務会計のような正確性よりも、早く実績数値を集計し、その結果の振り返り、改善策の検討、見直しの実行を行い、収益の増大を図るという迅速性を重視しています。この集計の迅速性を実現させるためには、財務会計方式よりも、管理会計方式の変動損益決算による方法のほうが優れています。

管理会計とは、結果の表示ではなく、現時点と将来に向かって利益を増大させることを目的とした会計制度です。したがって、未来会計であると言えます。

上記目的のために、いち早く経営実態を月次単位で把握し、月次決算によって翌月の取組みを検討し即実行するスピードが重視されます。

この管理会計は、財務会計が税法上定められた会計方式であるのに対し、内部管理資料として位置づけられるものであり、2本立てとなるのはやむを得ません。

 

年度末決算書は、1年間の経営活動の結果の合計数値だけで、月別の動向やその過程、各部署別の業績を示していない。

在庫の計上方法によって損益が変動するため、正しい経営状態を掴めない。

財務会計の決算書は、すべて金額だけの表示であって、一人当りの固定費効率など単位当りの実績が掴むことができない。

原価が変動的な費用と固定的に消費される費用とに区分されていない。

各部署別に赤字か黒字かを示す損益分岐点売上高が分からない。

キャッシュ・ベースの利益が分からない。

財務会計上で要求される原価計算は、操業度や稼働率が変われば、単位当りの原価も変化するはずであるが、その実態を正確に示していない。

財務会計上の決算書は、諸規程に基づいて作成されるので、経理担当者以外の現場の営業、生産担当者には、難解で理解されにくい。

工場の原価計算上では、労務費、製造経費、設備費などを配賦する基準に、各製品の直接作業時間とか、完成量の割合、使用面積の割合などを用いるが、活動基準原価計算の場合とで収益差が生じ、機会損失を生じさせるケースが多い。

 

管理会計は、変動損益計算で行いますが、これは、原価計算の考え方を応用したものです。これは、利益管理上でも、経営戦略を展開する場合でも、大変に活用できるツールであり、次のように実務面で多くのメリットがあります。

 

参考:日本ビズアップ