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中小企業で活用する経営分析

⑶比率分析の流れと体系を理解する

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⑶比率分析の流れと体系を理解する

■収益性、安全性、生産性、成長性の4つの視点から見る

比率分析には、①収益性②生産性③安全性④成長性の4つの視点があります。これらの分析は、密接に関連していますので、比率分析を行う際は、流れと体系を整理する必要があります。比率分析の流れは、下図のようになります。

 

■比率分析の流れと体系

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まず、始めに会社が儲かっているかどうかの「収益性」を調べます。これは損益計算書を見て、各種の売上高経常利益率などの各利益率が、同業他社や業界平均よりも良いのか悪いのかを比較します。また、計画値と比べてどうなのかもチェックします。次に「生産性」のチェックです。人の動きについては、労働生産性や労働分配率をチェックします。

3番目は、貸借対照表から「安全性」を調べます。資産と負債を見て支払能力があるか、負債と純資産の割合を見て借金体質になっていないかどうか、「資産の部」の流動資産と固定資産の内訳を見て、会社の費用構造を予想することなどです。4番目が「成長性」です。これは、売上高や粗利益率、営業利益、経常利益の伸び率などを時系列に分析し、会社の成長性を確認するためのものです。

各分析で用いる指標は下記の通りにまとめられます。

 

■比率分析で使用する主な指標

収益性…総資本経常利益率、売上高経常利益率、総資本回転率など

生産性…労働生産性、労働分配率など

安全性…流動比率、当座比率、固定比率、固定長期適合率、自己資本比率など

④成長性…対前年売上高伸び率、各利益の伸び率など

 

■経営指標を毎月把握し経営改善のポイントを探る

経営指標は決算書が出来てから初めて見るものではなく、月次業績管理の中でも把握する必要があります。業界平均値や業界優良企業との比較で、自社の経営力のレベルを測ることができ、今後の目標設定にも役立たせることができます。

 

参考:日本ビズアップ