資金に困らない企業体質をつくる

資金繰り改善のポイント

③資金不足に陥らないための秘策

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■売掛債権の徹底管理

売上代金を確実に回収できなければ、売掛債権が現金化されないために資金繰りに影響が生じます。

売上を上げても相手先が倒産することになれば、資金繰りは厳しくなります。

このようなケースの予防策としては、売掛金推移表の作成など、数字の推移をチェックする方法があります。

■在庫の削減

(1)在庫は借金と考える

在庫を持つと、様々なコストがかかります。

在庫は販売し、代金回収をしてはじめて仕入代金が払えることになりますので、代金回収までの間は借入金に頼らざるを得ません。

借入金には利息がかかりますので、在庫は「借金」と同じことになります。

(2)在庫の管理コストもバカにならない

在庫を抱えると、在庫を保管する倉庫や在庫を管理するための人件費もかかりますし、光熱費、保険料などもかかります。

さらに、不良在庫となってしまったものは最終的には廃棄処分をするしかありませんが、廃棄処分にもコストがかかります。

在庫を持つためのコストは、決して無視できないものなのです。

(3)廃棄処分にもコストがかかる

不良在庫は廃棄処分することになりますが、廃棄処分するにも、焼却処分費用や事業用ゴミの回収費用、

それを実行する従業員の時間コストなど、様々なコストがかかります。

■ゼロベースでの仕入先・外注先見直し

仕入先や外注先は、ゼロベースで見直します。

業暦の長い企業であればあるほど、以前からの付き合いだから、と見直しをかけないケースをよく見かけます。

一昔もふた昔も前でしたら、取引先が支援をしてくれることもあったかもしれませんが、今はそんな時代ではありません。

少なくても3~4社から見積もりを取り、総合的な判断をする必要があります。

また、「仕入担当者しかわからない」「業者選定は○○さんに任せてあるから」というのは、大変危険です。

中小企業の場合、仕入を1人で行なっているケースが多いため、内部統制の観点からも、複数名で担当し、透明性を持たせるべきです。

 

<参考文献>

・「『会社が危ない!』と思ったときにお金をひねり出す61の方法」

見田村 元宣・内海 正人 共著(日本実業出版社)

・「銀行が教えてくれない 小さな会社の資金調達の方法」 塩見 哲 著(中経出版)

・「資金繰りをラクにする108 のセオリー」 高橋 敏則 著(ダイヤモンド社)

・事例集「経営革新で元気企業!! 中小企業経営革新計画作成のすすめ」

北海道 経済部(北海道の公式ホームページ)

・「クラウド会計シリーズ 資金繰り改善マニュアル」

日本ビズアップ・日本プランニングセンター・日本会計グループ 著(ビズアップ総研)