資金に困らない企業体質をつくる

資金繰り改善のポイント

②当面の資金を確保しピンチを乗り切る

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■金融機関に頼む前に取り組むべきこと

資金が不足する可能性があるとき、真っ先に思いつくのは金融機関からの借入ですが、

金融機関に頼む前に、自社でできる対策は打っておく必要があります。

決して安易に金融機関への融資依頼をしないことです。

まず、自社で資金を捻出する方法を考え、金融機関への依頼は最後の手段として考えるべきです。

そうしないと、金融機関に融資の申し込みを行ない、それが通ったならば、多くの場合、それで安心してしまい、

自力で資金を捻出することなど頭から離れてしまい、また同じことを繰り返すことになりかねません。

以下に、自社でできる資金捻出の方法を紹介しますが、あくまでも緊急避難的な手法であって、

キャッシュの源泉である利益を増加させる仕組みをつくらないことには、いつまでたっても

負のスパイラルから脱することはできません。

■コスト削減のポイント

(1)コスト削減は金額の多いものから

資金繰りを改善するためにまずやるべきことは、コスト削減です。

しかし、コスト削減にもセオリーがあります。

それは、金額の多い方から削減することです。

変動費と固定費の割合の高い方から着手し、その中でも金額の高いものから削減を図っていきます。

変動費の割合の高い製造業や卸売業、小売業は、変動費率を低下させることができないかを検討します。

ここでのポイントは、変動費は額でなく「率」で下げることです。

一方、固定費の割合の高いサービス業などは、固定費のうちどの科目の金額が多いのかを勘定科目別に分析し、

「額」で削減を検討します。

(2)生命保険を活用して資金をつくる

生命保険は役員や従業員の退職金や万が一の保障として必要なものですが、保険料が資金繰りを圧迫することも少なくありません。

もし貯蓄性のある生命保険に加入してれば、以下の方法で一時的に資金を捻出することができます。

(3)決算期を変更して役員報酬を減額する

役員報酬が負担になっている場合は、役員報酬の減額を行ないます。

ただし、役員報酬の減額は期の途中で行うことはできず、減額をした場合、減額後の報酬は損金としては認められず課税対象となります。

ところが、決算期を変更することで、役員報酬を減額することが可能になります。

気を付けたいのはその期の決算が赤字となってしまった場合、金融機関からの融資に影響ができる可能性があるということです。

 

<参考文献>

・「『会社が危ない!』と思ったときにお金をひねり出す61の方法」

見田村 元宣・内海 正人 共著(日本実業出版社)

・「銀行が教えてくれない 小さな会社の資金調達の方法」 塩見 哲 著(中経出版)

・「資金繰りをラクにする108 のセオリー」 高橋 敏則 著(ダイヤモンド社)

・事例集「経営革新で元気企業!! 中小企業経営革新計画作成のすすめ」

北海道 経済部(北海道の公式ホームページ)

・「クラウド会計シリーズ 資金繰り改善マニュアル」

日本ビズアップ・日本プランニングセンター・日本会計グループ 著(ビズアップ総研)