こんにちは。税理士法人武内総合会計です。
今回は会社の取締役の報酬(役員報酬、法人税法上、役員給与とよばれるもの)についてお話ししようと思います。

この記事でわかること

  • 役員報酬とは
  • 法人税法上損金にできる役員報酬(役員給与)の種類
  • 定期同額給与を変更できるケース

役員報酬とは

役員報酬とは、取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として会社から受ける財産上の利益(以下「報酬等」)は、(指名委員会等設置会社を除き)定款または株主総会の普通決議によって定めるもの(会社法361条1項、404条3項)を指します。株主総会決議とされている理由としては、取締役会などで取締役が自由に自らの報酬を決定できるとするとお手盛りの危険性があり、株主の利益を毀損する可能性が高まるためです。

では、株主総会決議で何を定めなければならないのでしょうか。取締役一人一人の報酬を決めてしまうことも可能なのですが、取締役一人一人の報酬が具体的な額で明らかになってしまうため、それを避けるために株主総会では取締役全員の報酬総額の限度額のみを定め、各人別の報酬額は、取締役会に一任することが可能です。
また、取締役会では各人別の報酬額の決定を行うことができますが、その決定を代表取締役に一任することが可能です。

報酬額の種類について

ここからは法人税法上の話に移るのですが、法人税法上、役員給与の種類は3つあり、以下の3つに該当しない役員給与は損金の額に算入されないことになります。また、以下のいずれかに該当する場合であっても不相当に高額な給与に関しては損金の額にならないとされています。

① 定期同額給与
② 事前確定届出給与
③ 業績連動給与

① 定期同額給与

その支給時期が1か月以下の一定の期間ごとである給与(以下「定期給与」といいます。)または継続的に供与される経済的利益で、その事業年度の各支給時期における支給額または支給額から源泉税等の額を控除した金額、あるいは経済的利益の額が同額であるものをいいます。

② 事前確定届出

事前確定届出給与とは、その役員の職務につき所定の時期に、確定した額や数の金銭等が支給される給与で、上記の「定期同額給与」および下記の「業績連動給与」のいずれにも該当しないものをいいます。
これは、事業を開始して、あるいは決算が確定してから一定の期間内に届出を出すことにより損金として認められる給与となります。

③ 業績連動給与

業績連動給与とは、利益や株式の市場価格の状況を示す指標などの業績を示す指標を基礎として算定される金銭等の額や株式等の数に基づいて支給される給与の事を意味していますが、上場企業で多く採用される傾向にある給与ですので、ここでの説明は割愛させていただきます。

定期同額給与を変更できるケース

(1)定期改定

役員報酬の説明で述べた通り、取締役の報酬は株主総会で決定されますので、決算後の株主総会の開催の時をもって定期給与の額の変更(改定)を行うことが可能です。

(2)臨時改定事由

その事業年度において役員の職制上の地位の変更、職務の内容の重大な変更、その他やむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)があった場合には、これらの役員に係る定期給与の額を改定(変更)することが可能です。

(3)業績悪化事由

その事業年度において経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(以下「業績悪化改定事由」といいます。)がある場合には、定期給与の額の変更(改定)することが可能です。(その定期給与の額を減額した改定に限られます。)

また、業績悪化改定事由とは、経営の状況が著しく悪化したこと、その他これに類する事情になりますので、法人の一時的な資金繰りの都合や単に業績目標値に達しなかったことなどは業績悪化改定事由には該当しないため、ご留意ください。(法人税基本通達9‐2‐13)


役員報酬は高額ですので、取り扱いを誤ると損金にすることができず納税額が増え資金繰りに困る等、損をする場合があります。
役員報酬を変更する場合は、顧問税理士へご相談ください。

もし税理士を探している・税理士の変更を検討している等ございましたら、
私たち税理士法人武内総合会計にご相談ください。


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