今回は中小企業が設備投資等を行う際に設けられている税制優遇措置についてご説明いたします。
この投稿をお勧めする方(中小企業)
- 設備投資をしたい方
- 税制優遇措置(特別償却・税額控除)を受けたい方
- 中小企業経営強化税制について知りたい方
目次
- 中小企業経営強化税制について
- 要件
- 税制優遇措置
- 対象となる資産について
- 経営力向上計画の認定について
中小企業経営強化税制について
この制度は、青色申告書を提出する（①）中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けた（②）一定の中小企業者などが平成29年4月1日から令和5年3月31日までの期間（③）内に、新品の（④）特定経営力向上設備等（⑤）を取得または製作もしくは建設して、国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合に、その指定事業の用に供した日を含む事業年度において、特別償却または税額控除を認める（⑥）ものです。（国税庁HP）
要件
① 青色申告書を提出している中小企業者であること。
② 経営力向上計画の認定を受けていること。（詳細は後述します。）
③ 令和５年３月31日までの期間に、取得、製作、もしくは建設し、事業の用に供すること。
④ 取得等の対象資産は新品であること。
⑤ 取得等の対象資産は特定経営力向上設備等であること。（詳細は後述します。）
税制優遇措置
⑥ 事業の用に供した事業年度において特別償却か税額控除のどちらかを選択できます。
一般に固定資産を取得した際、その取得額は耐用年数に応じて、各年度の損金に算入されます（減価償却）。
この中小企業経営強化税制に基づく特別償却については、減価償却を一括して固定資産の事業の用に供した年度の損金にできるという即時償却が認められています。
また、即時償却以外の方法として、固定資産の取得価額の10％ を算出された法人税の額から控除できる税額控除も認められています。（ただし、算出される法人税の額によっては上限額あり。）
即時償却か税額控除かは選択適用であり、どちらか一方の適用しか認められていません。
例えば300万円の新品の製造機械を取得したとして、即時償却の場合、翌期以降減価償却を行う額について前倒して一時の損金として計上し、その前倒して損金に計上した額に税率を掛けた額が法人税の額一時的に減少させる効果を有しますが、翌期以降減価償却を通じて損金に算入される額はありません。
税額控除を利用すると300万円×10％の30万円が法人税から控除できることができますが、即時償却をすることはできず、当該取得資産については通常の減価償却を行うこととなります。
また、算出される法人税の額によっては、税額控除の上限額が設けられています。
もちろん、どちらが有利かについては、個々の状況により異なりますので、税務の専門家へ相談されることをお勧めいたします。
対象となる資産（⑤）について
・160万円以上の機械装置
・70万円以上のソフトウェア
・30万円以上の器具備品・工具
・60万円以上の建物付属設備
基本的に以上の固定資産が対象となりますが、以下の経営力向上計画で申請する類型によっては対象とならない資産もありますので、取得前に確認が必要です。
経営力向上計画の認定について（②）
「経営力向上計画」とは、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など自社の経営力を向上するために実施する計画で、認定された事業者は、税制や金融の支援等を受けることができる制度です。
現在、A～Dまでの類型が用意されており、その類型に従って準備する書類等も変わってきます。
例えば、生産性向上設備（A類型）であると、工業会の証明書が必要ですが、それ以外の類型では経済産業局の確認書が必要になります。
手続きにおいてもB類型（収益力強化設備）やD類型（経営資源集約化に資する設備）では税理士や公認会計士の確認を必要とし、C類型（デジタル化設備）では認定経営革新等支援機関の確認が必要であることなど、この計画の申請類型は複雑です。
なお、税理士法人武内総合会計は認定経営革新等支援機関ですので、すべての類型について対応いたします。
設備投資に係る税制優遇措置をもっと詳しくお知りになりたい方は、税理士法人武内総合会計までご相談ください。
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